歯の痛みを抑えるボルタレンは一時的にすぎない

虫歯が気になっていても、仕事が忙しかったり、歯医者さんは元々好きではないのでつい敬遠する、などの理由からそのままになっていませんか?虫歯は決して自然治癒することはありません。
内部でどんどん広がっていきます。
最初は違和感があるだけだったのが、冷たいものや熱いもの、甘いものなどがしみるようになり、やがて神経に近いところまで達すると、夜も寝られぬ酷い歯痛に襲われるようになります。
そこで初めて受診した歯医者さんでは応急処置として消炎鎮痛剤が出されます。
初診ではレントゲンを撮り、原因となっている歯を特定し、虫歯の進行程度を確かめ、治療の計画をたてます。
患者さんはこの歯が痛いと思っていても実は別の歯が原因であったりする場合もありますし、炎症が酷い場合は麻酔などが効かないことも多く、すぐに治療が出来ないこともあるのです。
初診では痛み止め、消炎剤の他に、感染が疑われる場合は抗生物質も処方されます。
薬は指示どおりに服用することが大切です。
歯科でよく用いられる鎮痛剤に、ボルタレンという薬があります。
他の鎮痛剤では効かないこともその理由ですが、ボルタレンの成分、ジクロフェナク・ナトリウムは、他の成分の解熱鎮痛剤と比較しても一番効果の強い薬です。
あくまで頓服薬として処方されることが多く、常用されるべき薬ではありませんし、服用は必ず医師の指示に従います。

主な副作用には、消化器症状、浮腫などの全身症状、皮膚症状等が挙げられます。
その他まれに見られる副作用として、ショック、アナフィラキシー、消化管潰瘍、再生不良性貧血、血小板減少、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、肝障害、急性脳症、脳血管障害などが報告されています。
妊婦又は妊娠している可能性のある方への使用は禁忌となっています。
ボルタレンを使用すると一時的に痛みはおさまりますが、原因となっている虫歯を治療しない限り、薬の効果が切れると再び歯痛が現れます。
ボルタレンのような強い作用を持つ薬を飲み続けることは、身体に大きな負担がかかるので、痛みが治まったら出来るだけ早く原因となる虫歯を治療してもらうように歯医者さんとよく相談しましょう。

もしこの時期にさらに放置して治療をしないとどうなるでしょうか。
神経にまで達した虫歯をボルタレンなどの鎮痛薬で一時的に抑えることを繰り返すうちに虫歯菌は神経全体に行き渡り、神経が死んでしまいます。
神経が死ぬと歯の痛みはなくなりますが、虫歯の進行はそこで止まるわけではありません。
やがて歯の根の先端に膿が溜まってきます。
その袋状になった中の膿が出口を失い、歯茎を突き破っておできのようなできものが出来ます。
これをフィステルといいます。
フィステルは普段は痛みませんが、疲れたり、体の抵抗力が弱まったりすると炎症が活発となり歯痛、発熱が現れます。
これを繰り返すうち、顎の骨の炎症(骨髄炎)までも引き起こす場合があります。
骨髄は骨の内部にあるスポンジのような組織で、ここに細菌が住み着くと抗生物質が効きにくく、治りにくい状態となります。
大変危険な状態で、有害な細菌が血液中に入り、菌が全身にばら撒かれることになります。
血液中には白血球があり、菌を食べて防御しようとしますが、免疫力が弱い人や、糖尿病などの病気がある人などでは、肺炎や、心臓への菌の影響で心膜炎や心筋炎を起こす等、命を落とす場合もあります。
治療には骨髄炎により腐ってしまった顎の骨を切り取るような全身麻酔での手術が必要になる場合もありますので、たかが虫歯と甘く見ない事です。